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スペシャルインタビュー

第一回:東京スポーツ・レクリエーション専門学校 顧問:妻木充法さん

2大会連続でワールドカップに招集されましたが、日韓大会とドイツ大会とでは、呼ばれた経緯というか意味がまったく違うんです。

 

妻木:

通常、ワールドカップのトレーナーはFIFA(国際サッカー協会)が開催国のサッカー協会に用意するよう依頼します。ですから、日韓大会で僕が呼ばれたのは、そんなに騒ぐほどのことではないんです。
でもドイツ大会のとき、僕はFIFAから直接声をかけられたので、呼ばれた経緯というか意味がまったく違うんですよ。

★それは日韓大会のときの評判がよかったからですか?

妻木:

突きつめて考えると、そうなのかもしれません。昨年の12月に、第1回クラブチャンピオンシップが日本で行われたとき、僕もサポートをしたので、そのことも無関係ではないと思います。

★とても名誉なことですね。

妻木:

そりゃもう、うれしかったです。まさかドイツ大会に呼ばれるとは思ってもいませんでしたから。

★審判員は好きなトレーナーを指名できるのですか?

妻木:

はい。ドイツ大会では、審判員をケアするために8人のトレーナーが招集されましたが、全員の名前とケアする時間帯が書いてある一覧表があって、そこに審判員が名前を書き込んでいきます。

★特定の人に集中することはないのですか?

妻木:

ありました。でも審判員の平均年齢は40歳くらいですから、みんなジェントルマン。その辺のところも配慮してくれているようです。とはいっても、いつも暇そうにしていた人もいましたね。東洋医学の専門家は僕ひとりだったので、多いときで1日10人くらいは診たこともありました。

長く同じ仕事をしているとマンネリ化しちゃうでしょ。もっと自分を進化させたいから大学院に入ったんです。

 

妻木:

長年にわたって、ジェフユナイテッド市原・千葉でチーフトレーナーをやってきましたが、数年前から世代交代を意識するようになりました。

★もう現場に戻ることはないのですか?

妻木:

はい。チームは卒業です。長い間、同じことをやっているとマンネリ化するというか、技術的にも頭打ちになってしまうんですよ。もっと自分を進化させなければいけない、変わらなければいけないと思って、今春から順天堂大学の夜間大学院に社会人枠で入学したんです。

★専攻は何ですか?

妻木:

スポーツ健康医学です。スポーツ医科学や健康学、コーチング、マネジメントなどを学んでいます。僕は多くの人に支えられてきましたから、これからは後進のレベルアップのために何かしたいと思っています。その手はじめに、いまこの学校で鍼灸師や柔道整体師、理学療法士、アスレチックトレーナーといった、いわゆる指導者層の人たちを対象にASC(アスリート・サポート・クラブ)という勉強会を行っています。それに、もっと自分のスキルも磨きたいですね。

★それ以上、どこを磨くのですか?

妻木:

1週間もすれば、だんだん元に戻ってしまうんです。ですから、治療効果を1日でも長くするとか、今までとは違ったアプローチはないかとか、運動器疾患だけでなく内科系疾患の治療に役立てることはできないかとか、課題は山積しています。まだまだ、これからです。

●妻木さんのテーピングアドバイス

テーピングの仕方については、テキストも出ているし、このWEBサイトでも紹介されているので、練習すれば誰でも巻けるようになります。一番難しいのが外すタイミングなんです。

例えば、足首や膝(ひざ)の場合、片足でスクワットができるとか、不安がなくなったら外してしまっていいと思います。とはいっても症状やケガの程度によって異なりますから、このタイミングで外せとは一概に言えないんですよ。これも僕の課題のひとつです。

【協力:東京スポーツ・レクリエーション専門学校



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