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早川:
それは説明の仕方次第です。彼らは経験豊富なJリーグのトップ選手ですから、「監督がこう言っているからやれ」というだけでなく、スタッフが監督の伝えようとしている真意をくみ取り、彼らが納得して実践できるように、代表チームのコンセプトに変換して伝える。ある意味で、これがA代表チームの業務のなかで一番大切な仕事かもしれません。
早川:
どのチームでもスタッフが全員集まるミーティングがあります。テクニカル的なことが多いんですが、監督が何を考えているかを直接感じ取ることができるので、とてもいい機会になります。
早川:
選手を客観視できるように、彼らと一定の距離を保つこと。選手にとって日本代表に選ばれるということは、とても名誉なことです。よほどのことがない限り選手から弱音を吐くことはありません。選手は多少無理をしてでも、監督やコーチングスタッフに対しては、自分たちのことを積極的にアピールしようとします。
私たちトレーナーは監督やコーチと比べると、もう少し選手に近い立場にいるのかもしれません。体のケアと同様に、メンタル面のケアをするという意味では、適度なガス抜きは必要となりますが、そのさじ加減が意外と難しいんですね。
早川:
私はそう思っています。友達のような関係を築ければ、選手の本音を引き出しやすくなるとは思いますし余計な気をつかわなくてよくなるかもしれません。
しかし、私たちスタッフには選手の気持ちとは反することをやらせなければならないこともあります。そのような場合、あまりにも近すぎる関係がマイナスに働くことがあるからです。