木暮:
フットサルに転向した当初は、“サッカーとは全然違う” “フットサルの方が凄い”と思った時期がありました。でもいろいろな経験を重ねるうちに、フットボールという観点から競技を捉えるようになったんです。そうなると、フットサルもサッカーも、女子サッカーも、ビーチサッカーも、フットボールファミリーの一員です。それぞれピッチのサイズやボール、プレーする人数もルールも違う。だから違って当然でしょ。ですから今は“違い”ではなく“魅力”について語るようにしています。
木暮:
やはりスピード感と臨場感に尽きると思います。ゴール前のシーンも多いし、パワープレーもあります。サポーターとの距離が近いので目が離せないし、迫力もあります。そういったフットサル独自の魅力をトップ選手が試合を通してサポーターに見せることが出来れば、フットサルファンはもっと増えると思います。
木暮:
そうなんです。ロナウジーニョ選手、メッシ選手、カカ選手など、世界トップレベルのサッカー選手の多くが子どもの頃にフットサルを経験しています。フットサルは足元でプレーする機会が多いので、それが技術の向上につながっているのではないでしょうか。そういう事例から考えると、フットサルをサッカーの入口に位置づけてもいいと思うんです。まずフットサルからはじめて、途中でサッカーに転向するのもよし。フットサルに魅力を感じた子どもが競技を続けていけば、結果的にフットサル人口の裾野は広がっていくような気がします。そういう流れを作りたいですね。
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木暮:
基本的なトレーニングはさておき、フットサルの場合、体幹トレーニングは欠かせませんね。バランスディスクやバランスボールなどを使って、足首が不安定な状態でも姿勢をキープできるようにしたり、あえてバランスの悪い状態を作って姿勢をキープしたり……。やはりケガの予防には体幹トレーニングは必須だと思います。
木暮:
はい。昨年カズさん(三浦知良選手)と一緒にプレーする機会に恵まれました。46歳であれだけのパフォーマンスを見せることができるのも、身体ケアの賜ものだと思います。フィジカル面だけでなく、メンタル面でもいろいろなことを学ぶことが出来ました。それはフットサル界の財産でもあるので、これから後輩たちに伝えていきたいですね。
日本代表がアジア選手権で初優勝した時の金メダル(2006年、ウズベキスタン)
同大会で木暮さんは、MVPにも選出されました(記念トロフィー)