テーピング基礎講座
テーピングは知識を必要とする行為です。特にスポーツ分野においては
専門知識が必要となりますので、基礎知識と専門用語から理解しましょう。
日本のテーピングの誕生
アメフトがスポーツテーピングの始まり
スポーツの中でも激しいコンタクトの多いアメリカンフットボール。スポーツテーピングはこの競技から生まれました。1982年、ニチバンはアメリカで生まれたスポーツテーピングを日本で導入し発売。以来、ニチバンはバトルウィンTMブランドとして日本のスポーツ界をテーピングを通じて支え続けています。
基礎から身につけよう
テーピングの考え方
スポーツテーピングは、指や手首、足などの関節に巻いて傷害を受けやすい部位を補強、その動きを制限することでケガや障害を予防し、再発を防ぐ目的で行われます。ギプスのように関節をガチガチに固めるのではなく、プレーに支障を来さない範囲で、無理な力が加わっても、捻挫(ねんざ)を起こすような関節の動きを制限するものです。
一度ケガをすると、カラダを動かすことによってまたケガをするのではないかという不安が残ることがあります。そうなるとプレーに集中できないばかりか、本来持っている力も十分に発揮することはできません。でもテーピングをすると心理的な安心感が出てくるため、プレーに集中することができます。
しかし過度の期待は禁物です。テーピングをしたからといってケガが治るわけではなく、絶対にケガをしないというわけでもありません。テーピングをすることで、ケガをしないですむか、ケガをしても軽度ですむようにするためのものだということをお忘れなく。
スポーツテーピングの目的
- 予防する
- スポーツの種類によって、ケガや障害の起こりやすい部位が異なります。テーピングはこうした部位を補強し、ケガや障害の発生を予防する効果があります。
- 再発を防ぐ
- 以前にケガや障害を起した部位は、再発しやすくなっています。テーピングはこうした部位を補強し、保護する効果があります。
- 応急処置
- 医療機関を受診するまでの応急処置としてテーピングを行う場合もあります。症状の悪化を最小限に抑えるための処置です。
成長期のケガの予防
成長期の子どもは、からだの成長が終了した成人とは異なり、成長期特有の特徴的なケガが見られ、その代表的なケガに、「腰椎分離症・オスグッドシュラッター病・シーバー病」などがあります。
スポーツテーピングの3つの効果
- Effect:01可動範囲が制限できる
- 捻挫(ねんざ)、靱帯損傷、脱臼などは、その部位が正常な可動範囲を超えてしまった結果、起こるケガです。このようなケガを防止するには、テーピングによる可動範囲の制限が効果的です。
- Effect:02ケガや障害を受けて弱くなった部位を補強できる
- ケガや障害を受けて弱くなった関節や筋肉、靱帯、腱などにテーピングをすると、その部位を補強することができます。これはケガや障害の再発予防に効果的です。
- Effect:03ケガや障害への恐怖感を軽減できる
- 過去にケガや障害を受けたプレーヤーは、ケガや障害に対する恐怖を抱くことがあります。受傷部位を補強、保護することで、安心感が生まれ、思い切りプレーできるようになります。
注意事項
- ・テーピングは体を動かす時に効果を発揮しますので、体を動かす直前に貼り、体を動かした直後にははがしてください。
- ・テーピングをはがす時は体毛の流れに沿ってゆっくりはがしてください。
- ・使用中にかゆみや発赤などの症状があらわれた場合は使用を中止してください。
テーピング巻き方 基礎編
基本の巻き方と専門用語を覚えましょう
テーピングの巻き方には基本があり、ほとんどはその組み合わせによる応用となります。
基本の巻き方とその用語を覚えておくと、応用の巻き方もスムーズに理解できます。
- アンカー スポーツテーピングのベース・土台となるテーピングです。
- スターアップ 足首が内側にそれる捻挫(ねんざ)を予防するためのテーピングです。
- ホースシュー スターアップの補強とアキレス腱の保護を目的としたテーピングです。
- サーキュラー スターアップがずれないように固定するためのテーピングです。
- フィギュアエイト 足首の関節全体を安定させるためのテーピングです。
- ヒールロック かかとをしっかりと固定し、左右のブレを防止するテーピングです。
- サポート・Xサポート 関節の可動域を制限する役割のテーピングです。
- アンダーラップ 皮ふの弱い方のカブレ予防やテープを剥がす時の痛みを和らげる為のテーピングです。
スポーツテーピング 部活動編
テーピングを基本的な巻き方でご紹介
事前準備
練習・試合前
練習・試合中
応急処置(応急手当)
スポーツなどでケガをしたとき、医療機関を受診するまでの間、ケガを悪化させず、できるだけよい状態に保っておくために「応急処置(応急手当)を行う必要があります。
応急処置(応急手当)を適切に行うと、症状の悪化を防ぐことができ、短期間で治すことに大変役立ちます。
いざというときのために、正しい応急処置(応急手当)の知識を身につけましょう!
応急処置(応急手当)の動画や成長期のケガの予防の動画も紹介しています。
Q&A
- テープの種類には、どんなものがあるの?
- 大きくわけて「非伸縮テープ」と「伸縮テープ」があります。非伸縮テープは、主に関節の可動域を制限するために用いられます。伸縮テープは、関節運動の大きい部位や柔軟性を必要とする部位に使用します。
- テープを剥がすとき、痛いのでは?
- 剥がしやすくするためのリムーバースプレーもありますが、あらかじめ患部の毛を剃った方がいいでしょう。その方がテーピングの効果も高まります。また、テーピングの下地に巻くアンダーラップを使用すれば、肌がかぶれにくく、剥離時の不快な痛みを防ぐことができます。
- スターアップは3 本でなければいけないの?
- そんなことはありません。スターアップの場合、1 本のテープが耐える重さは約25 キロです。体格のいい人、体重のある人なら、本数を増して巻いた方が効果的です。
- シワやたるみを出さないようにするには?
- 身体の線に沿わせて、無理なくテープの流れに素直に巻くとシワやたるみは出ません。また、テープの持ち方が間違っていると、巻きづらく、シワやたるみの原因となります。右手にロールを持って、人差し指を巻き芯に差し込み、左手でテープを引っ張ってロールを転がすように引き出しましょう。
- スポーツ時以外にテーピングしてもいいの?
- もちろんです。ケガによる関節の痛みや、慢性的な足腰の痛みなどの症状には、伸縮テープを使用して、痛みの発生を予防する事ができます。
- スポーツテーピングを取り除くタイミングはいつ頃?
- スポーツ終了後には取り除くようにおすすめしています。ただし、血行の障害や過度の圧迫が感じられる時は、躊躇なく取り外しましょう。